本日は舞台関係を中心に、ホームズ/ドイルそのものを主題とする動きが確認できました。特に、フランスで長期上演されてきた『ボスコム谷の謎』の新しいパリ公演が本日スタートします。また米国フロリダでは、若きコナン・ドイルとジョゼフ・ベルを題材にした新作劇について、世界初演後のレビューが公開されています。
1. パリで『ボスコム谷の惨劇』、本日から新シリーズ公演
フランス・パリのThéâtre des 3 Clésで9月10日、コナン・ドイルの「ボスコム谷の惨劇」を原作とする舞台 Sherlock Holmes et le Mystère de la Vallée de Boscombe の公演が始まりました。現在発表されている日程では10月31日まで計31公演が予定されています。9月10日の初日は20時開演です。
Christophe Delortがドイル作品をもとに脚色・演出した作品で、3人の俳優が9人の登場人物を演じ分けるコメディ仕立てのミステリーです。今回が作品そのものの初演というわけではなく、すでに約8年間上演され、Splendid、Théâtre du Gymnase、Grand Point Virguleやアヴィニョン演劇祭などで公演されてきたロングラン作品です。今回のThéâtre des 3 Clés公演は、その新たなパリ公演シリーズという位置づけになります。公式チケット情報では「8年間で50万人以上」の観客を集めたとされています。
原作は1891年に発表された正典短編そのものですが、フランスでホームズ正典をファミリー向け舞台として継続的に上演している例として興味深い動きです。
2. 若きドイルとジョゼフ・ベルを描く『Baker Street Beginnings』に初レビュー
米フロリダ州のFlorida Atlantic University(FAU)にあるTheatre Labで世界初演された新作 Baker Street Beginnings について、9月9日付でFlorida Theater On Stageがレビューを掲載しました。
Gina Montét作、Matt Stabile演出によるファミリー向け作品で、完成された名探偵ホームズを舞台にするのではなく、アーサー・コナン・ドイルと、ホームズ造形に影響を与えたエディンバラ大学の外科医ジョゼフ・ベルとの関係を出発点として、「シャーロック・ホームズが生まれるまで」を劇化している点が特徴です。レビューも、ベルの観察・推理能力がドイルの創作に与えた影響を作品の歴史的な基盤として紹介しています。
この作品については9月1日のニュースで世界初演そのものを紹介しましたが、今回は実際の上演を受けたレビューが公開されたという更新です。単なるホームズの翻案ではなく、ドイルの伝記とホームズ創作史を児童・家族向け演劇に組み込んでいる点は、ドイル受容史の観点からも注目できます。
3. 今夜21時、NHK BSP4Kでジェレミー・ブレット版「青い紅玉」
日本国内では、本日9月10日21時からNHK BSP4Kで、グラナダ版『シャーロック・ホームズの冒険』第7話「青い紅玉」が放送されます。ホームズ役はジェレミー・ブレット(吹替:露口茂)、ワトスン役はデビッド・バーク(吹替:長門裕之)です。
原作はもちろん“The Adventure of the Blue Carbuncle”。ピーターソンが持ち込んだ帽子とガチョウから、盗まれたブルー・カーバンクルへと事件がつながっていくエピソードです。番組表では9月10日21:00~21:54と確認できます。
新作ではありませんが、「今日実際に日本で見られるホームズ関連情報」として掲載対象にしました。特にグラナダ版については、Jeremy Brett関連資料・研究への関心が近年改めて高まっていることもあり、日本で4K放送が継続されていること自体は記録しておいてよい動きです。
本日の補足
もう1件、ルイビルのActors Theatreでは、Ken Ludwigによる人気舞台 Baskerville: A Sherlock Holmes Mystery が昨日9月9日に開幕し、9月27日まで上演されています。『バスカヴィル家の犬』を5人の俳優が多数の役に扮して演じるコメディ版です。



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