本日、SHSL(ロンドン・シャーロック・ホームズ協会)の新オンライン講演シリーズ「The Baker Street Broadcast」のうち、10月21日と11月3日の2回分に申し込みをしました。9月7日の第1回(ローザンヌのコナン・ドイル・コレクションについて)にはすでに参加していますが、月1回ペースで続くこのシリーズの次の2回が、ちょうど今回の申し込み対象です。
9月7日:ローザンヌ・コレクションの回を振り返って
まず、すでに参加した第1回についても、簡単に振り返っておきたいと思います。講師はのローレンス・ペルネ氏で、ローザンヌ大学図書館が所蔵する「アーサー・コナン・ドイル・コレクション」について解説する回でした。会員向けイベントということもあり、詳細な議事録的な再現は避け、印象に残った点を3つほど挙げておきます。
まず、コレクションがスイスにある経緯です。息子エイドリアン・コナン・ドイルが中世史や甲冑収集を愛好していたこと、そしてスイスに居を構え、父の遺産を守るための財団を設立して博物館を開いたことがきっかけだったという説明で、9月1日の記事で自分なりに調べた流れとおおむね一致する内容でした。博物館自体は1970年に閉じましたが、資料のうちアーカイブ部分は1975年にローザンヌ大学図書館へ渡り、これが今のコレクションの土台になっているとのことです。
次に、ペルネ氏自身が2021年に取り組んだという再編プロジェクトの話です。45年以上にわたり複数の担当者が不規則に作業してきたため目録が入り組んでいたコレクションを、資料形態(図像資料・プレス切り抜き・原稿・書簡など)に基づく新しい分類体系で整理し直し、オンラインでの公開に耐える形に整えたとのことでした。資料箱151箱、印刷物159点、書籍330冊という規模も紹介されていました。
最後に、収蔵品そのものの紹介も印象的でした。『ショスコム荘』の未公開原稿(当初のタイトルが『ショスコム寺院の冒険』だったこと)や、『緋色の研究』の出版契約をめぐる書簡(出版社が25ポンドの買い切りを提示し、ドイルの印税方式での支払い要求を退けた経緯)、1888年刊行の『緋色の研究』初版本、そしてドイルの祖父・父・伯父にあたる画家たちの作品群など、文献だけでなく美術資料としての厚みも感じさせる内容でした。
10月21日:元刑事が語る「現代の捜査とシャーロック・ホームズ」
2回目は、元刑事で現在は国際的な法執行アドバイザーとしても活動するNeville Blackwood氏による講演です。組織犯罪捜査、潜入捜査、汚職事件、人身売買などを手がけたキャリアは40年以上に及び、SHSLの告知によれば在職中の最終階級はDetective Superintendent(警視に相当)とのことです。ヴィクトリア朝以来、捜査手法がどう変わってきたか、ホームズの推理原則のうちどれが現代でも通用するか、そして潜入捜査や組織犯罪が絡む今日の世界でホームズがどこまで通用するか、といった論点が扱われる予定です。デビュー作となる犯罪小説『Covert』(2026年)は、1990年代のロンドンを舞台に、潜入捜査官が悪名高いヘロイン密売組織を追い詰めていく物語で、著者自身の捜査経験がベースになっているとのことです。
日時は英国時間19時〜20時ですが、10月25日にUKの夏時間(BST)が終わるため、21日時点ではまだBST(UTC+1)にあたります。日本時間に直すと10月22日(木)午前3時〜4時です。
11月3日:英国祭とSHSL設立75周年、Games親子とEdwardes氏の話
3回目は、1951年の英国祭(Festival of Britain)とSHSLの結びつきをたどる講演です。英国祭のエンブレムをデザインしたAbram Games氏の娘であるNaomi Games氏と、協会側からDominic Edwardes氏が登壇し、英国祭とSHSL設立の関係、そして父の原案をもとに作られた協会75周年記念エンブレムの制作経緯が語られるとのことです。
この回はすでにUKが冬時間(GMT)に戻った後の開催になるため、英国時間19時〜20時は日本時間で11月4日(水)午前4時〜5時にあたります。
特に11月3日の回は、協会そのものの成り立ちに関わるテーマなので、これまで断片的にしか把握していなかった75周年関連の企画がどうつながってくるのか、楽しみにしています。参加後、新しく知ったことがあれば追ってこちらにも書き留めておきたいと思います。
出典
- The Sherlock Holmes Society of London, “From Real Detective to Crime Novelist: What Sherlock Holmes Got Right… and What Has Changed”
- The Sherlock Holmes Society of London, “75 years of the Festival of Britain and the Sherlock Holmes Society of London”
- Neville Blackwood, 著者公式サイト
*アイキャッチ画像はAIにより本記事をモチーフに精製されたもので、SHSLの公式な画像とは異なります。

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