先日ご紹介したOld Joint Stock Theatreの野外巡演劇『Sherlock Holmes and the Bitter of the Baskervilles: An Untapped Tale』について、続報が入りましたのでご報告します。8月14日、サリー州バンステッドのパブ「The Kingswood Arms」での公演を、劇評サイトLondonTheatre1のAlan Fitter氏がレビューしています。
Sherlock Holmes and the Bitter of the Baskervilles: An Untapped Tale
キャストは変わらず、評価は星4つ
今回のレビューでまず確認できたのは、キャストが7月末のストックブリッジ公演時と同じ4名――Will Batty、Will Hamilton、Imogen Vickers、David Haller――のまま巡演を続けているという点です。各人が衣装を目まぐるしく変えながら次々と別の役を演じ、誰がどの役を演じているのか分からなくなること自体が観劇の楽しみの一つになっている、とFitter氏は書いています。全員がホームズ役を交代で務め、なおかつ楽器演奏までこなすという構成は、ストックブリッジのレビューで触れられていた「多才さ」がそのまま作品の核であることを裏づけています。評価は星4つでした。
「ジュークボックス・ミュージカル」という側面
今回のレビューでとりわけ興味深かったのは、劇中で使われる楽曲についての言及です。『ウィキッド』の「Defying Gravity」、ケイト・ブッシュの「Running Up That Hill」、さらにはテイラー・スウィフトの曲まで登場するそうで、Fitter氏はヴィクトリア朝の探偵劇と現代のポップソングとの取り合わせこそが、この作品最大の笑いどころの一つになっていると評しています。以前ご紹介した際には音楽監督にガビー・ボール氏が名を連ねていることまでは分かっていましたが、具体的な選曲がここまで振れ幅のあるものだとは、今回のレビューで初めて明らかになりました。
野外劇ならではの割り切り
演出のエミリー・スザンヌ・ロイド氏について、Fitter氏は「野外という条件と戦うのではなく、むしろ受け入れている」と評しています。凝った装置や仕掛けに頼らず、俳優自身のエネルギーで見せる作りになっているとのことで、これはストックブリッジ公演のレビューにあった「風でパラソルが倒れるハプニングすら即興コメディに転化する」という現場力の話とも響き合います。観客参加も「うんざりするほどではない程度に、効果的に」使われているそうで、この点も前回のレビューの評価と一致しています。
一方で率直な指摘もあり、すべての冗談が受けるわけではないこと、上演時間がもう少し短くてもよいこと、音響のボリュームがやや大きめであることなどが「些細な難点」として挙げられていました。
巡演は8月28日まで
今回のレビュー末尾の情報によれば、このパブ巡演は8月28日まで続くとのことです。以前確認していたロンドン公演(The Bull Inn、8月17日)よりもさらに先まで日程が続いていることになり、まだ観劇の機会が残されている方もいらっしゃるかもしれません。
出典
Alan Fitter, “Sherlock Holmes and the Bitter of the Baskervilles,” LondonTheatre1, August 15, 2026.

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