2026年6月13日:JSHC月例会(26年6月)はあのコンビを考察

シャーロッキアン日記

今日は日本シャーロック・ホームズクラブ(JSHC)の月例会に参加してきました。

もともとは海外出張と重なっていたため欠席の予定でしたが、出張が急遽延期になり、思いがけず参加できることに。こういう幸運は素直に喜びたいものです。

今回のテーマは、「《四つの署名》をひっくり返すと《唇のねじれた男》:ホームズ─ワトスンの組み合わせが確立するまで」。
発表者のKさんは事前にこうコメントしていました。

「名探偵ホームズ─忠実な友人兼語り手ワトスンという組み合わせはどのようにして出来あがったのか、私の考え方をお話しします。『四つの署名』と短編集『ホームズの冒険』をお持ちいただけると嬉しいです。どの版でもOKです。」

発表の詳細は控えますが、大まかな流れとしては──『緋色の研究』でホームズとワトスンが出会い、『四つの署名』でワトスンは結婚して伴侶を得て、同居が解消された。しかし連作短編へと舞台が移るにつれ、ワトスンの妻や家庭という設定は物語の邪魔になっていき……というものでした。

ドイルが「どう描いたか」「どう描けなかったか」という作者の側から迫るアプローチで、文学研究、あるいはドイリアン的研究(作中世界ではなく作家コナン・ドイル自身を研究対象とする立場)と呼んでよいかと思います。

こうした研究に価値があることは間違いありません。ただ個人的な好みとしては、正典の世界をあくまで「実際に起きた事件の記録」として読み解くシャーロッキアン的・ホームジアン的なアプローチに、より魅力を感じます。世界観として少し違う方面の研究だな、という感覚は正直ありました。

それでも、複数の作品を並べて構造の重複や反転を見出し、そこにドイルの意図を読み取っていく手法は、アプローチとして純粋に面白いと思いながら聞いていました。テーマの「ひっくり返す」という言葉が示すように、対称性に着目した読み方は発見に富んでいます。

発表後は情報交換の時間。北原尚彦さんによる近刊紹介やイベント情報など、盛りだくさんの内容でした。

さらにその後はグッズ交換会。私もいくつか入手させていただきました。シャーロッキアン、とりわけJSHC会員の間で、読むべき本や希少な資料が循環していく仕組みは、コミュニティにとって本当に重要だと改めて感じました。本や資料を積極的に循環させていく文化を、自分でも大切にしていきたいと思います。

 

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