2026年10月1日:今年のBSIトラスト講演

シャーロッキアン日記

FacebookのシャーロッキアングループStranger’s Roomを眺めていたら、今週末に迫ったBSIトラスト講演会(BSI Trust Lecture)の告知が流れてきました。第6回となる今年の講演には、9月上旬にBSI(Baker Street Irregulars)から案内メールが届いた時点で申し込みを済ませていたのですが、日記に書きそびれていましたので、開催直前のこのタイミングで紹介しておきます。開催は日本時間で10月4日(日)の午前3時です。

今年のテーマは「BSIディナー写真の中の、あの人は誰?」

今年の講師はHarrison “Terry” Huntさん(BSI、インヴェスティチュアは”The Something Hunt”)で、演題は”Who IS that? Naming the Unknown in BSI Dinner Photos.”です。案内によると、BSIアーカイブの資料を丹念にたどり、BSIの年次ディナーの写真に写っている身元不明の人々を特定していった、その苦労と成果についてのお話とのことです。案内文はこれを「私たちが共有する歴史の空白を埋める物語」と位置づけていました。

BSIトラストのウェブサイトには、BSIディナーの写真を年ごとにまとめたページがあります。写真という一次資料そのものに加えて、それを「誰が写っているのか」まで含めて記録していく作業が、どのように進められてきたのか。資料整理の舞台裏をのぞけそうな点に、とても惹かれています。

講師のTerry Huntさんについて

案内に掲載された経歴によると、Huntさんはクーパーズタウン大学院プログラム(Cooperstown Graduate Program)で歴史博物館学の修士号を取得し、キャリアの大半をニューヨーク州ナッソー郡公園局の歴史担当シニア・キュレーター兼史跡管理責任者として過ごされました。担当された史跡の一つが、BSIの創設者クリストファー・モーリーの小さな執筆小屋「ノットホール(The Knothole)」でした。

シャーロッキアンの世界に入ったきっかけも、このノットホールです。2009年のBSIウィークエンドで行われたノットホールへの「巡礼」の手配をFrancine Kittsさんと共に手伝ったことが始まりで、その後、奥様のLindaさんとともにスリー・ガリデブズ(Three Garridebs)の会員として活動し、北東部の複数のスカイオンにも加わられました。2014年にBSIのインヴェスティチュア”The Something Hunt”(『バスカヴィル家の犬』に由来)を受けています。

モーリーとBSIの歴史が特に関心のある分野で、Lindaさんと共同で『Aboriginals: The Earliest Baker Street Irregulars, 1934–1940』(BSI Press、2019年)を著しています。学芸員として古い写真を分析してきた経験が、今回のテーマに直結しているとのことです。

開催概要

  • 日時:2026年10月3日(土)午後2時(米国東部時間)/日本時間 10月4日(日)午前3時
  • 形式:Zoomウェビナー(講演者のみが映る形式のため、カメラ・マイクは不要)
  • 参加費:無料、事前登録制(定員に達し次第締め切り)
  • 所要時間:約1時間の予定
  • 録画:いずれBSI Digital Archiveで公開予定だが、時期は未定
  • 登録:Zoom登録ページ

定員制のため、これから申し込む場合は早めの登録をおすすめします。

BSIトラスト講演会のこれまで

BSIトラスト講演会は2021年に始まった年1回のシリーズで、これまでの講師はロバータ・ピアソンさん(2021年)、レイ・ベツナーさん(2022年)、スティーヴン・ロスマンさん(2023年)、マティアス・ボストレムさん(2024年)、S・E・ダリンガーさん(2025年)です。2024年までの講演はBSIトラストのページから録画を視聴できます。

2023年のロスマンさんの講演は、モーリーとエドガー・W・スミスの往復書簡を扱ったものでした。今回もモーリーに深い関心を持つHuntさんの講演ということで、BSI草創期の人物像がまた一つ具体的になりそうです。昨年のウィリアム・ジレットをテーマにした講演への申し込みについては、2025年8月17日の日記に書きました。

直前の告知を見て

写真に写った人物を特定する作業は、名簿や書簡、新聞記事などの資料を突き合わせる地道な作業だと思います。書誌調査で、献辞や署名の主を資料から一つずつ裏付けていく作業にも通じるところがありそうで、どのような手がかりから身元にたどり着いたのか、具体的な手順を聞けるのが楽しみです。

申し込んでから少し日が空いていたので、Stranger’s Roomの告知はちょうどよいリマインダーになりました。日本時間の午前3時という時間帯は正直なかなか厳しいのですが、録画の公開時期が未定ですので、目覚ましをセットして、なんとかライブで視聴したいと思います。

出典

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