2026年5月7日:新作ドラマ「The Death of Sherlock Holmes」制作発表――空白の3年間がついに描かれる

シャーロッキアン日記

ここのところ、5月4日のライヘンバッハの滝での出来事に関連して、いろいろとシャーロッキアン界隈が賑わっていますが、こちらもタイムリーなドラマ制作の発表がありました。

その作品とは「The Death of Sherlcok Hoomes」。

主演は レイフ・スポールTryingUnder Salt Marsh)。近年の英国ドラマで実力を積んできた俳優さんだそうですが、私は彼の作品は未見だと思います。

物語の出発点は、ライヘンバッハの滝――1891年、ホームズとモリアーティが対峙し、ホームズが「死亡」したとされた、あの場所です。しかし本作の眼目はモリアーティとの対決ではなく、その後の 空白の3年間(1891〜1894年) にあります。

正典において、この時期はいわゆる 「グレート・ハイエイタス(The Great Hiatus)」 と呼ばれ、ホームズはノルウェーやチベットを旅したとワトソンに語っています(「空家の冒険」)。しかし、実際に何が起きたのか詳細は描かれていません。

本作では、記憶を失った英国人男性が自分自身の正体を推理していくというサスペンス・スリラーの形式でこの空白に迫るとのことです。これは確かに面白いアプローチですし、グレート・ハイエイタスそのものを描こうとした映像作品は記憶にはありません。

制作陣と体制

  • 制作: Silver Reel(チューリッヒ)
  • 放送・配信: Sky(英国・アイルランド・スイス・ドイツ)、SRF(スイス)、ARD Degeto(ドイツ)
  • 配給: Sphere Abacus
  • 共同出資: Umedia(ベルギー)
  • 脚本: アンドレ・キュッテル(Platzspitzbaby)&シモーヌ・シュミット(Die Beschatter
  • 監督・ショーランナー: ピエール・モナール&クローディア・ブルームフーバー
  • 共演: デレイラ・ピアスコ(The ExposureTransatlantic

Silver Reelは2025年のインターナショナル・エミー賞を『Fallen』 で受賞した制作会社で、今作がその次の大型英語ドラマとなります。スイスを拠点とする会社が手がけるだけあって、スイスアルプスを舞台にしたビジュアル面での独自性も期待できそうです。

スクリプトはスイス人とドイツ語圏のクリエイターが中心となっており、純粋な英国発ではないという点も興味深い。イギリスの外からホームズの空白期を再構築する視点がどう機能するか、注目しています。

所感

グレート・ハイエイタスは、シャーロッキアン研究においても長年の「論点」です。ドイルが意図的に曖昧にした期間を、後世の作家・研究者たちがさまざまに論じてきました。映像作品がこの時期を「記憶喪失のホームズが自己推理する」という形式で描くのは、なかなか示唆に富んだ設定だと思います。

一方で、「記憶喪失」というモチーフはドラマ的にはやや使い古された感もあります。脚本家のキュッテルとシュミットがその先にどんな物語を組み立てているか、期待と慎重さを同時に持って待ちたいと思います。

放送は 2027年予定。現在スイスでの撮影が進行中とのことです。

アジア向けの配信についてはまだ決まってないようです。Skyのドラマはこれまでもあまり日本に入ってないようですが、NetflixやU-Nextなどに頑張ってほしいところです。

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