本日は、8月24日に開幕を紹介したエディンバラ・フリンジの新作ホームズ舞台について、実際の舞台内容と批評が確認できるレビューが新たに見つかりました。
『The Adventure of the Innsmouth Crown』に初の具体的な公演評
英国の演劇レビューサイトEverything Theatreは8月26日、Edinburgh Festival Fringeで上演中の『Sherlock Holmes: The Adventure of the Innsmouth Crown』のレビューを掲載しました。Rob Warrenによる評では、作品が現代の女性Harriet(Erin Frances Speirs)が亡母の病室を整理する場面から始まり、自分がジョン・ワトスン博士(George M. Atkinson)の孫娘であることを知る構成であることが紹介されています。さらに、母親がワトスンに行ったインタビューの録音テープを通じて「Innsmouth Crown事件」の回想へ入り、そこから事件そのもののフラッシュバックへ移る、多重構造の物語として舞台化されています。
レビューの評価は「Ok」で、着想そのものは認めつつも、物語・演技・構成のエネルギーや巧妙さが十分でなく、多数のホームズ作品が並ぶフリンジの中で際立つまでには至っていない、という厳しい内容です。脚本はBen M Davies、演出はShamama Fatima、制作はInnsmouth Crown Productions。Calum Philpがホームズを演じ、Emily Mahi`aiはモリアーティを含む複数役を担当しています。公演は8月29日まで続きます。8月24日版では「新作が開幕した」ことを紹介しましたが、今回は実演を見た第三者の評価と舞台構造が具体的に判明したため、重複ではなく更新情報として取り上げます。研究上は、正典の「ワトスンが事件を記録する」構造を、ワトスン→娘の録音→孫娘の発見という複数世代の記録へ拡張した点が、現代パスティーシュにおける語りの再構成として注目できます。
情報源
- Everything Theatre — Review: Sherlock Holmes: The Adventure of the Innsmouth Crown, theSpace @ Surgeons’ Hall
- Edinburgh Festival Fringe — Sherlock Holmes: The Adventure of the Innsmouth Crown
米デラウェアの『Baskerville』、最終公演週末へ
米デラウェア州ミルフォードのSecond Street Playersによる『Baskerville: A Sherlock Holmes Mystery』は、8月28日から最終公演週末に入ります。Ken Ludwigがコナン・ドイルの『バスカヴィル家の犬』を喜劇として再構成した作品で、Riverfront Theaterにて8月28日・29日午後7時、30日午後2時に上演されます。Visit Central Delawareの公演情報では、ホームズとワトスンのほか、少人数の俳優が40以上の役を演じ分け、アクセント、変装、早替わりを多用する構成が紹介されています。
Delaware Public Mediaは8月9日の事前記事で、演出のDoug Jamesが、Ludwig版は原作の緊張感を残しながら幅広いコメディを加えた翻案だと説明していることを伝えました。今日取り上げる理由は、明日28日から最終3公演が始まるためです。大規模な新作発表ではありませんが、『Baskerville』が地域劇場でも繰り返し上演される現代ホームズ舞台翻案として定着していることを示す一例として、短く記録しておきます。


コメント