2025年9月21日:BSIトラスト主催講演会、『ホームズの世界』編集委員会

シャーロッキアン日記

昨日英国から帰国しました。

渡英期間は毎日Xでポストしていたので日記は休んでいましたが、また今日から再開したいと思います。

昨晩というか、今朝というか、深夜の3時にBSIトラストの講演会がありました。申し込みしたときのことはこちらで書いています。

昨日午後6時過ぎに成田に到着して、家に帰ったのが9時ころ。起きてられるか心配したのですが、飛行機の中で少し寝られたからか、なんとか3時まで目が覚めていました。

 

2025年BSIトラスト講演

まず、BSIトラストがどういうものなのかが説明から開始。BSIトラストはベイカーストリート・イレギュラーズの歴史を残すための団体で2003年に設立されたとのこと。90年近い歴史がある団体なので、こうした歴史を記していこうというのは十四なことだと思います。JSHCももうすぐ50周年ですので、クラブ史を振り返ることもあっていいのではないかと思っています。

今年の講演ですが、演劇史とオペラ公演の独立研究者であるS.E.ダリンジャーさんによる、ウィリアム・ジレットの生涯と彼のシャーロック・ホームズの表現についてのものでした。

タイトルは、「Marry Him or Murder Him:William Gillettes’s Sherlock Holmes」というもので、ジレットのキャリア、彼の『シャーロック・ホームズ』劇の創作とその背景、家族構成、衣装の詳細、そして彼の性格から伝記執筆が困難だったこと、さらに、彼のフェアウェル・ツアー、主演映画に関する逸話なども紹介してくれました。

興味深い話がいくつかありました。ジレットの伝記がないということについて、彼の私生活に関する情報が極端に少ないためだとのこと。ジレット城にはオオサキさんという執事がいたというのも興味深いところ。また、ホームズを演じるために髭を剃ったとか、レナード・ニモイがジレット上を訪れた時の写真があるとか、様々なお話が聞けました。

昨年の講演もよかったのですが、毎年興味深い講演会を開催してくれてありがたいですね。

 

『ホームズの世界』編集委員会

一般投稿の校正が続いています。同時に、表紙やグラビアの案なども議論しました。

表紙は、今号から編集長が替わるということもあり、昨年のものからリニューアルされる予定ですので、会員の方におかれましては、緒楽しみなさってください。

委員会後は恒例による懇親会。イギリス旅行の報告などもしつつ、楽しく歓談させていただきました。

 

SHERLOCK ADJACENT

最近叙法源の一つとして登録したSHERLOCK ADJACENT。通知が来たのでのぞいてみたら、ワトソンの年代に関する記載についての投稿でした。

ON THE IRREGULAR CHRONOLOGY OF MY CASES
My dear Watson, I have often allowed you free rein in the ordering of my adventures, trusting that your instincts as a s...

ホームズから?ワトソン博士へのレター形式で、なぜワトソンの年代に関する記載に、誤りや不明瞭さがあるのかを論じています。

その理由として以下のようなことが挙げられていましたが、確かに納得するものが多いですね。

  •  選択の歪み:ワトソンは事件を網羅的に書いたのではなく、公表に適したものだけを選んだため、順番が乱れた。
  •  執筆の都合:医師としての生活があり、興味を持った事件を思い出したときに書いたため、年代は前後する。
  •  慎重さ:国家や著名人に関わる事件はすぐに公開できず、順序が入れ替わった。
  •  記憶の誤り:人間の記憶は不完全で、季節や日付を取り違えるのは当然のこと。

これまで語られてきている年代学における矛盾の説明が概ね網羅されているように思います。

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