2026年6月19日:モリアーティを主人公にしたさらなる作品が進行中――イタリア版『Moriarty Rising』が始動

シャーロッキアン日記

モリアーティ教授を主役に据えた映像プロジェクトが、相次いで発表となりました。ひとつはこの日記でも紹介しましたが、FremantleとArchery Picturesが手がける英国版犯罪ドラマ。

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そしてもうひとつが、今回ご紹介する現代イタリアを舞台にした『Moriarty Rising: A Sherlock Holmes Tale』です。

Varietyが6月18日付で報じました。

Alessio Liguori to Direct ‘Moriarty Rising: A Sherlock Holmes Tale’
Alessio Liguori is to direct “Moriarty Rising: A Sherlock Holmes Tale” in Turin, Italy.

 

舞台はトリノ。監督はイタリアのジャンル映画監督アレッシオ・リグオーリ(『In the Trap』2019年、23カ国配給)、脚本はオリヴァー・ドライヴが担当します。内容は「天才犯罪者の知られざる起源」を現代のトリノを背景に描くというものです。

本作の最大の特徴は「デュアルフォーマット」と呼ばれる制作形式で、スマートフォン向けの縦型(バーティカル)シリーズとしても、単独の長編映画としても機能するよう設計されています。といわれても若干ぴんときておらず・・・。見てみないことにはという感じです。

制作はFormer Prodigy Media(クリストファー・ナイト主宰)、2度のエミー賞ノミネートを持つフィル・ヴィアード、Tip-Top Productionsのロブ・マギリヴレイ、Alation Mediaのジョナサン・ミラー(製作総指揮)の連合体制。

イタリア国内の撮影にはミラノを拠点とするGreif Produktion SRLが参画しており、同社は『ミニミニ大作戦』(パラマウント)のプロダクションスーパーバイザーを務めたジャンルカ・ラッツァローニらが率いています。

シャーロキアンとして気になる点と言えば、現代イタリア・トリノという設定は少なくとも現時点で公表されている情報を見る限り、正典との直接的な接点は見えていません。ライヘンバッハもロンドンもベーカー街も今のところ言及されていません。

「モリアーティの起源」という切り口も、正典では数学者であり「犯罪界のナポレオン」とされる以外の情報が驚くほど少ないだけに、どのような解釈がなされるのか興味深いところです。

縦型動画フォーマットという選択もホームズ系コンテンツとしては私の知る限り前例がなく、TikTok世代を意識した実験的なアプローチなのかもしれません。

配信先プラットフォームや公開時期はまだ発表されていません。日本での放映や配信があるのかも含めて要フォローです。

 

興味深いのは、この作品が登場するタイミングです。冒頭でも述べたとおり、現在、英国でも別の『Moriarty』ドラマ企画が進行しており、ホームズではなく宿敵モリアーティにスポットライトを当てる流れが世界的に加速しているようにも見えます。日本でも『憂国のモリアーティ』のヒットに見られるように、ホームズではなくモリアーティ側から物語を描く作品は近年大きな支持を集めています。

かつては「犯罪界のナポレオン」としてホームズが語ったに過ぎない存在だった人物が、いまや単独で作品を牽引する主人公となりつつあります。正典では意外なほど人物像が語られていないだけに、その空白をどう埋めるかは創作者ごとの腕の見せどころでしょう。トリノ版『Moriarty Rising』がどのようなモリアーティ像を提示するのか、今後の続報に注目したいところです。

 

注:アイキャッチ画像はAIによる想像に基づいた画像であり、Moriarty Rising: A Sherlock Holmes Taleとは無関係の画像となります。

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