Netflixが正式に『エノラ・ホームズ3』(Enola Holmes 3)について発表しました。2026年7月1日、全世界同時配信です。
このシリーズに対する評価はシャーロッキアンやファンの間でも割れています。
Redditなど海外ファンの反応を見ると、「傑作ではないが楽しい」、「ホームズ作品というより冒険活劇として好き」という声も多く見られます
「ホームズ正典の外伝として楽しむ」派と、「設定の改変が気になる」派がいると言ってもいいかもしれません。私はどちらかといえば前者の立場で、ミリー・ボビー・ブラウン演じるエノラのエネルギーと、ヴィクトリア朝ロンドンのビジュアルを楽しんできました。
さらに、シャーロキアンの視点から見ると、今回の発表や関連情報には見逃せないポイントがいくつかあります。
Netflixの公式によれば、
「冒険がエノラ・ホームズをマルタへと駆り立てる。そこで待ち受けるのは、私生活と探偵の使命が激しく交錯する、これまでにない複雑で危険な事件だった。」
とのこと。
ティザー映像では、エノラがテュークスベリー卿の婚約を受け入れたところ、その祝いの席で兄のシャーロックが誘拐される(?)という衝撃的な展開が確認されています。ウェディングドレス姿でショットガンを構えるエノラが、今作もかなり激しい展開であることを予想させてくれます。
今作ではシャロン・ダンカン=ブリュースターがモリアーティとして再登場し、引き続き脅威を与える存在として描かれます。
主なキャストは、エノラ役のミリー・ボビー・ブラウン、テュークスベリー役のルイ・パートリッジ、シャーロック役のヘンリー・カヴィル、エノラの母ユードリア役のヘレナ・ボナム・カーター、そしてヒメーシュ・パテルがシャーロックの右腕、ドクター・ジョン・ワトスン役を務めます。
シャーロキアン的に注目したいのは、ワトスンの存在感が増してきていることです。前作終盤でワトスンが登場し、シャーロックとの新たな関係が示唆されましたが、今作ではワトスンが”相棒”として本格登場する模様。正典における名コンビの誕生を、このシリーズなりの解釈で描いてくれることを期待しています。
今作で初めてメガホンをとるのは、エミー賞受賞監督のフィリップ・バランティーニ。ドラマ『Adolescence』で知られる彼がシリーズに加わります。前2作のハリー・ブラドバーから監督が交代するのは大きな変化ですが、脚本はシリーズを通じてジャック・ソーンが担当しており、物語の一貫性は保たれてることが期待されます。
放映時間は1時間45分で、前2作がいずれも2時間を超えていたことを考えると、今作はやや引き締まった構成になるようです。
舞台をマルタに設定したことは、興味深い選択です。正典でシャーロック・ホームズがマルタを訪れた記述はありませんが、地中海といえば当時の地政学的要衝でもありました。ロンドンの霧から離れ、地中海の陽光の下で繰り広げられるホームズ一族の物語。舞台を移すことで別の側面を引き出そうとする試みと言えるかもしれません。
ホームズをロンドンの霧から解放し、異国の地へ送り出す、これはパスティーシュや映像化作品で繰り返し試みられてきた手法でもあります。
日本を舞台にしたこちらはお薦めです。

また、モリアーティが女性として描かれていることは、興味深い改変です。コナン・ドイルが正典で描いた「犯罪界のナポレオン」ジェームズ・モリアーティは、圧倒的に男性的な知性の権化でした。このシリーズが女性モリアーティというキャラクターを通じて何を語ろうとしているか、第3作での扱いでさらに明らかになると思われます。
*アイキャッチ画像は、AI作成の本記事のイメージ画像となります。

コメント