2026年5月11日:マイケル・ペニントン氏の逝去

シャーロッキアン日記

この日記にも度々登場しているシャーロッキアンPodcast「I Hear of Sherlock Everywhere」、略してIHOSEのサイトで、新しい記事がアップされていました。

内容はマイケル・ペニントン氏が逝去されたとのこと。

詳しく存じ上げなかったので、記事内で照会されていたThe Telegraphの記事を読んでみました。

要約すると以下のような俳優さんだったそうです。

信念の俳優: 1980年にメリル・ストリープとの共演(ハリウッド映画主役)を辞退し、舞台『ハムレット』への出演を選んだ。
シェイクスピアの巨匠: 知性と完璧な発声で知られ、ローレンス・オリヴィエの再来と称された。自身の劇団「イングリッシュ・シェイクスピア・カンパニー」を設立し、古典劇の普及に貢献。
幅広い役柄: 『リア王』や『テンペスト』など主要な役を制覇。私生活ではチェーホフを敬愛し、世界中で一人芝居を成功させた。
映画での記憶: 本人は謙遜していたが、『スター・ウォーズ/ジェダイの復讐』のモフ・ジャジャーロッド役として世界的に根強いファンを持つ。
作家・教養人: 演技論や解説書を多数執筆。2021年には回顧録を出版し、俳優術の言語化にも尽力した。
晩年と人柄: 70代以降もニューヨーク進出やコロナ禍での小劇場出演など情熱を燃やし続けた。料理を愛し、仲間から慕われる温厚な人柄であった。

 

なぜ彼がIHOSEで取り上げられたかというと、彼がホームズとモリアーティの両者を演じた希有な役者さんだったからとのこと。

ペニントン氏がホームズを演じたのは1987年のCBSテレビ映画『シャーロック・ホームズの帰還(The Return of Sherlock Holmes)』。設定はSF的なもので、冷凍睡眠から目覚めたホームズが現代のアメリカで女性探偵ジェーン・ワトソンと組む、というバックドア・パイロット(シリーズ化を前提とした単発作品)だったそうです。

Youtubeで見られる層です。

ペニントンのホームズは、背が高く禁欲的で洞察力に満ちた、いかにも「らしい」人物像だったとのことですが、この映像からも分かりますね。残念ながら、このシリーズはグラナダ版の成功もあってお蔵入りになってしまいました。

それから5年後の1992年、BBC Radio 4の正典ラジオドラマシリーズ(クライヴ・メリソン主演)で、ペニントン氏はモリアーティ教授として「最後の事件」に登場しました。ホームズとモリアーティの対峙をラジオで演じ切るのは声の演技力が必要ですが、ペニントンは英国舞台界随一の名声を誇る声の持ち主で、彼の知的な声は、べイカー街の密室における二大頭脳の衝突を完璧に再現した、と伝えられています。

ご冥福をお祈りしたいと思います。

 

アイキャッチ画像はAIによって生成したイメージです(マイケル・ペニントン氏の多才なキャリアを象徴するコンセプトアートとして作成しました)

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