またひとつ、気になるホームズ関連書籍の情報が流れてきました。
2026年6月、開拓社から『一歩上を行くシャーロック・ホームズの語法文法と読解』が刊行予定とのこと。著者は中村良夫氏、Alexander McAulay氏、高橋邦年氏、横河繁久氏の4名。英語学習書でありながら、題材にシャーロック・ホームズを据えた、正典を掘り下げる意味でもかなり本格的な一冊になりそうです。
現時点ではまだ詳細情報は多くありませんが、書店サイトなどによれば、ホームズ原文を用いながら、語法・文法・読解の三方向から英文を掘り下げていく内容とのこと。ページ数は124ページほど、価格は2,090円(税込)。発売日は2026年6月予定となっています。
個人的に興味を惹かれたのは、単なる「ホームズで英語を学ぶ」本ではなく、“一歩上を行く”と銘打っている点です。
ホームズ関連の英語教材というと、これまでも『青い紅玉』や『まだらの紐』などを使った入門〜中級向けの読解書はありました。ですが、今回の書籍は、かなり踏み込んだ解説を志向しているようです。
Xに流れていた内容紹介画像では、『恐怖の谷』からの一節が取り上げられていました。
発売前にチラッとご紹介🤫
『一歩上行くシャーロック・ホームズの
語法文法と読解』
中村良夫・Alexander McAulay・
高橋邦年・横河繁久 著「その訳、本当に正しい?」
従来訳の誤解釈を検証し、微妙なニュアンスや真意を丁寧に読み解く一冊。ホームズがさらに面白くなる! pic.twitter.com/iAA9Bsu7uV— 開拓社 広報 (@kaitakusha_pb)
“I should do so.” Sherlock Holmes remarked impatiently.
この should do so をどう読むか。
画像では、既存訳の問題点に触れつつ、「should の用法」に注意を払いながらニュアンスを検討しており、単に文法事項を説明するというより、「なぜホームズはここでこの言い回しを選んだのか」を掘り下げようとしているように見えます。
ホームズの正典は、それほど複雑な文章や単語ではないという印象を持つのですが、実際丁寧に読み始めると、ヴィクトリア朝特有の文体、微妙なニュアンス、当時の感覚、皮肉、婉曲表現など、直感的に分からないことが多くて立ち止まってしまいます。
基本的に翻訳された正典を読むことが多いのですが、何らかのテーマを決めて研究するときには、日本語を読みつつ、これ、英語ではなんて言ってるんだろう、と気になるところもあり、そうした際に原文に当たるのですが、上記のようなことがしばしばあります。
そういう意味では、「既存の翻訳書の誤った解釈を丁寧に掘り起こして解説」とあるのは気になります。翻訳というのは、正確に訳すということより、現代の日本に住む読者が、話をすんなりと(できるだけ作者の意図通りに)理解していくこと重きを置いていると思います。ですので、誤ったの意味合いが重要で、事実関係が全く違ってしまうような誤りは問題ですが、あえて原文で言ってないことを分かるように訳しているケースも多々あるので、そこは区別しながらということが必要でしょう。
開拓社は英語学・言語学系の書籍に強い出版社でもあり、同社の「一歩進める英語学習・研究ブックス」シリーズには、語法や英作文をかなり丁寧に扱った本も並んでいます。
ですので、上記で感じたようなことはきっと織り込み済みで、文字通り、本当に誤っているものが取り上げられるものと思われます。
私もTOEFLやTOEICの点や、ロンドン大学大学院に留学とか、アメリカ始め英語圏で仕事してたりとか、表面上は一応英語はできておかしくない立場なのですが、やはり英語の本を日本語の本と同じように理解してさらさら読めるかというととてもとても、という感じですし、リスニングもニュースのアナウンサーの英語などはよくても、普通の人々が会話するときに完璧に理解しながら参加できているかというと、たまに自信がなくなることがあります。
何が言いたいかというと、語学学習にゴールはないので、日々勉強するしかないということ、せっかく勉強するなら大好きなホームズで勉強するのがいいのではということ。
実は昨年1月にニューヨークのホームズイベントのBSIウィークエンドに行くにあたり、PodcastやYoutubeでホームズ関連のものを見たり聞いたり、Faceboookで欧米のシャーロッキアンと交流したりと、久々に英語が上達しているような気がしています。そいういう意味では、本書も是非活用してみたいと思っているところです。
アイキャッチ画像は、ネット上にある情報を元にAIが作成した本書のイメージとなっています。

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