本日、ホームズ・パスティーシュに関するニュースがメールで届きました。
作家 Andrew Peel(アンドリュー・ピール)氏 が、自身の新作 『Sherlock Holmes and Operation Hecate』 について、英国のホームズ系出版社として知られる MX Publishing と出版契約を締結したことを発表しました。刊行予定日は2026年12月(暫定)とのことです。
長い推敲の末にたどり着いた出版契約
ピール氏によれば、この作品は一気に完成したものではなく、
* 草稿を書く
* 改稿する
* 練り直す
* 本当にこの形でよいのか悩む
という、地道な積み重ねの中で形になっていったそうです。
創作というものは多くの場合そうですが、とりわけシャーロック・ホームズのような長い伝統を持つ世界に挑む場合、その重みは格別でしょう。
ホームズ・パスティーシュを書くという責任
氏が語っている中で印象的なのは、
ホームズ作品を書くことは、単に物語を書くことではない、という認識です。
シャーロック・ホームズとジョン・H・ワトソンは、世界文学の中でも最も広く知られたコンビのひとつです。特にワトソンの語り口には、読者が 本能的に感じ取る独特のリズムがあるとのこと。
従って、パスティーシュ作家は、
* 登場人物の話し方
* ワトソン文体
* 時代感覚
* 推理小説としての品格
まで問われることになります。
それだけに、この挑戦は難しく、同時にやりがいのある仕事だったと述べています。
舞台は1930年代――ラズボーン映画へのオマージュも
本作で興味深いのは、舞台を1930年代に置いたことです。
これは単に原作時代から時代をずらしたというだけではなく、ベイジル・ラスボーンとナイジェル・ブルースによる映画版ホームズからも影響を受けているとのこと。
あの映画群には、
* 影に満ちた映像美
* スパイ活動
* 政治的緊張
* 戦争前夜の不穏さ
といった魅力があります。
つまり本作は、
正典的ホームズの推理 × 1930年代スリラー的世界観という融合を目指しているようです。
“Operation Hecate”とは何か
タイトルの Hecate(ヘカテ) は、ギリシャ神話の女神名で、
* 魔術
* 夜
* 境界
* 三叉路
などと結びつく存在です。
タイトルからして、単純な事件ではなく、陰謀・秘密組織・暗躍する勢力を想像させます。
作者自身も、
* 秘密のネットワーク
* 隠された動機
* ホームズとワトソンが無視できない脅威
へと発展していく物語だと語っています。
かなり国際謀略ホームズ寄りの匂いがあります。「最後の挨拶」に通じるところがありそうでしょうか。
刊行予定は2026年12月。
作者は、冬の影と静かな不穏さに満ちた物語にふさわしい季節、と述べています。
今年は訳あって、ホームズのパスティーシュに注目しています。海外の新しい作品にも注目しつつ、翻訳作品でも読んでないものが多々あることが先日のJSHC東京セミナーでも分かりましたので、とりあえず多読してみたいと思っていました。

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