2026年6月16日:生演奏朗読劇『ホームズ&アドラー -The Final Problem-』――イシイジロウ×北原尚彦、シャーロキアンが仕掛ける新解釈ホームズ

シャーロッキアン日記

2026年7月、東京・シアターHのちょっとワクワクするニュースが飛び込んできました

ゲームクリエイターのイシイジロウ氏が舞台脚本に初挑戦し、ホームズ研究家の北原尚彦氏が監修を担う生演奏朗読劇『ホームズ&アドラー -The Final Problem-』が上演されます。

『428』イシイジロウ氏が脚本を手がける朗読劇『ホームズ&アドラー』の声優陣が豪華すぎる。諏訪部順一さん、緑川光さん、櫻井孝宏さんがホームズ役で、少年アドラーを林翔太さん、室龍太さん、阿部快征さんが演じる
ホームズとワトスン 諏訪部順一と岡本信彦 緑川光と草尾毅 櫻井孝宏と安元洋貴 浦和希と岡本信彦 瀬戸利樹と井上正大 少年アドラー 林翔太 室龍太 阿部快征 梶原岳人 戸谷菊之介 堀江瞬

豪華な声優・俳優陣、正典をベースにしながらも大胆な再解釈、そして生演奏という組み合わせ。シャーロキアンとして、これは見逃せない公演です。

どんな作品?

本作は、コナン・ドイルの正典「ボヘミアの醜聞」と「最後の事件」を掛け合わせた新解釈のホームズ譚です。最大の特徴は、アイリーン・アドラーを「少年」として再構築している点。ホームズを出し抜いた唯一の人物として知られるアドラーが、少年の姿でホームズと対峙するという設定です。

北原尚彦氏のコメントによれば、正典二作に「某文学作品」までマッシュアップされ、物語はやがて「予想外の真実」を明かすとのこと。これはまさにイシイジロウ氏ならではの群像劇的手法が活きる設定と言えます。

形式は「ミュージック・リーディング・シアター」と銘打たれた生演奏朗読劇。1900年頃のヴィクトリア朝ロンドンの空気をイメージしたジャズとクラシックの融合演奏が、声優・俳優たちの朗読に息吹を与えます。演奏は元PE’Zのサックス奏者・門田”JAW”晃介氏が担当。演出は末原拓馬氏(アメツチ初参加)、製作はプロデューサー安藤匠郎氏率いるアメツチです。

イシイジロウ氏とホームズ

イシイジロウ氏は1967年生まれ。チュンソフト時代に手がけた『428 〜封鎖された渋谷で〜』(2008年)は、ファミ通クロスレビューで史上9本目の40点満点を獲得した名作サウンドノベルで、複数の視点が交差する群像劇の妙が高く評価されました。

その後もレベルファイブで『タイムトラベラーズ』、独立後は『文豪とアルケミスト』の世界観監修、『新サクラ大戦』のストーリー構成など、物語と世界観を軸にした幅広い仕事を手がけています。

そして実は、イシイ氏は筋金入りのシャーロキアンでもあります。北原氏はコメントの中で、イシイ氏のホームズ愛が、『文豪とアルケミスト』におけるコナン・ドイルやホームズ関連エピソードにも反映されていると語っている。。今回の舞台は、そんな氏が「遂に真正面からシャーロック・ホームズを扱った」初の舞台脚本作品というわけです。

監修・北原尚彦氏

本作の設定監修を担うのは、日本を代表するシャーロキアンのひとり、北原尚彦氏です。1962年東京生まれ。作家・翻訳家・ホームズ研究家・古書研究家として知られ、日本シャーロック・ホームズ・クラブ(JSHC)会員でもあります。

著書に『シャーロック・ホームズ万華鏡』(本の雑誌社)、『シャーロック・ホームズの建築』(エクスナレッジ、本格ミステリ大賞候補)、『シャーロック・ホームズ語辞典』(日本シャーロック・ホームズ大賞受賞)などがあり、ドラマ『ミス・シャーロック』(Hulu)の監修も務めました。パスティーシュ作家としても『ジョン、全裸連盟へ行く』『シャーロック・ホームズの蒐集』などで知られています。

正典の知識と時代考証の信頼性は折り紙つきでしょう。

豪華な回替わりキャスト

本公演最大の特徴が、全10公演ですべてキャストの組み合わせが異なる「回替わり」制です。

ホームズ役:諏訪部順一、緑川光、櫻井孝宏、浦和希、瀬戸利樹
ワトスン役:岡本信彦、草尾毅、安元洋貴、君沢ユウキ、井上正大
モリアーティ役:置鮎龍太郎、天野浩成、速水奨、立花慎之介
少年アドラー役:林翔太、室龍太、阿部快征、梶原岳人、戸谷菊之介、堀江瞬
メアリー役:青山なぎさ、小林愛香、高柳明音、舞羽美海、駒形友梨、水瀬紗彩耶、小見川千明

公式サイトでは「迷ったらこの回」と題したおすすめ公演案内も掲載されています。

公演情報

項目詳細公演名『ホームズ&アドラー -The Final Problem-』形式生演奏朗読劇(ミュージック・リーディング・シアター)会場シアターH(東京・品川区勝島)日程2026年7月8日(水)〜7月12日(日)全10公演チケットS席 12,000円(税込)全席指定一般発売2026年6月14日(日)10:00〜取扱イープラス、チケットぴあ、ローソンチケット、CNプレイガイドほか公式サイトhttps://ame-tsuchi.co.jp/stage_holmes/

シャーロキアンとして思うこと

「ボヘミアの醜聞」と「最後の事件」を組み合わせるという着想は、実に巧みです。アドラーとモリアーティ、ホームズの二大宿敵が一作に同居する構造になるわけで、北原氏が言う「予想外の真実」への期待も高まります。

原作ではアドラーは1891年以前の人物であり、「最後の事件」のモリアーティと直接交わることはありません。その二つの物語をどう接続し、どのような「最終問題」を描くのかも本作の大きな見どころかもしれません。

イシイ氏の得意とする群像劇・多視点構成が朗読劇という形式でどう機能するのか、生演奏がどのように物語の緊張感を高めるのか、非常に楽しみです。

声優ファンにとっても、回ごとに異なる「ホームズ像」を聴き比べる体験は贅沢の極みでしょう。

シャーロキアンとしては、北原尚彦氏の監修のもとで正典の空気感がどこまで再現されるかに注目したいところです。

チケットは2026年6月14日より一般発売中。気になる回は早めに確保することをおすすめします。

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