Academiaという論文配信サイトにホームズをキーワードにして登録しているのですが、その他にGoogle ScholarというGoogleの論文検索サービスにも同様にホームズのキーワードで登録していて、毎日何かひっかかるとメールが送付されてきます。
本日紹介するのは今日届いた論文となります。(こちらも今日発表されたものということではなく、何かしら別のトリガーで引っかかる様子。でも、今日のは今年の発表のものです。)
タイトルは「The Analysis of Watson’s Personalities From the Perspective of Cooperative Principle」。少し難しそうですが、要するに、「ガイ・リッチーの映画、「シャーロック・ホームズ」のワトソンの会話のしかたから、その性格を分析した研究」となります。
注目点は「何を話すか」ではなく「どう話すか」
この論文が面白いのは、ワトソンの発言内容そのものではなく、
* 冗談を言うのか
* 話題をそらすのか
* 正直に答えるのか
* 相手に配慮するのか
といった、会話の運び方に注目している点です。
これは言語学者グライスの「協調の原理」という理論を使っています。人は普通、会話を成立させるために協力し合うものですが、あえてそれを崩すことで、ユーモアや皮肉、親密さが表れることがあります。
まさにジュード・ロウのワトソンは、その好例だと論文は指摘します。
ガイ・リッチー版『シャーロック・ホームズ』のワトソンは、従来のワトソンのイメージとはかなり異なると言われています。
* 元軍医で行動力がある
* ホームズに対して遠慮なく意見する
* 皮肉も言う
* 女性にも誠実
* それでいて友情に厚い
論文では、こうした描写を「知的でユーモラス」「慎重で思いやり深い」「医師として有能」「紳士的」と整理しています。
これは非常に納得できます。
映画版ホームズは天才ですが、かなり変人です。もしワトソンが従順なだけの人物なら、物語は一方通行になってしまうでしょう。
しかし映画版ワトソンは違います。
* ホームズの暴走を止める
* 推理にもついていく
* 必要なら叱る
* それでも見捨てない
この関係性こそ、現代の観客が惹かれる理由です。
論文は、ワトソンを「主人公に匹敵する魅力を持つ存在」と評価していますが、(キャスティングも含め)納得できるところでもあります。
ホームズ研究では、どうしてもホームズ本人に視線が集まりがちです。しかしドイル自身、ワトソンを単なる記録係として描いてはいないことに注目する研究も見逃すことはできません。
勇敢で、人情があり、常識的で、時にユーモラスという、原作の美点を、別の形で再構成したのがジュード・ロウ版ワトソンとも言えます。
パート3の製作は、噂が出ては消えしています。ガイ・リッチー監督は『ヤング・シャーロック」の方に着手してしまい、シリーズかもされるようなので、パート3はまだ先かもしれませんが、上記の通り新たなワトソン像を見せてくれるこのシリーズは、それだけでも魅力的でもあり、いずれ製作してもらいたいものです。
ちなみに、ジュード・ロウはグラナダTVが製作した『シャーロック・ホームズの冒険』の「ショスコム荘」で、若い厩舎係としても出演していました。
アイキャッチ画像はChatGTPに本文を渡して作成してもらったものとなります。内容を反映しようという努力が垣間見えて、細かいところは気になりつつ、採用することにしました。

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