2026年6月28日:ロンドン・シャーロック・ホームズ協会創立75周年、ライヘンバッハの滝への巡礼記

シャーロッキアン日記

今回ご紹介するのは、セントルイスのシャーロッキアン団体「Parallel Case of St. Louis」が発行するニュースレター『Parallelogram』に掲載された、KD Mertz氏によるレポート「Reichenbach Revisited」です。

こちらがそのニュースレターとなります。

Reichenbach Revisited By KD Mertz
A Sherlock Holmes scion society newsletter

私自身はメンバーではないのですが、一昨年、そして昨年とParallel Case of St. Louisの会員の方とお会いする機会があり、若干ですが馴染みのある団体となっています。

 

今年2026年は、ロンドンのシャーロック・ホームズ協会(Sherlock Holmes Society of London、SHSL)が創立75周年を迎えました。その記念行事の一環として、スイス・マイリンゲンへの巡礼と「ライヘンバッハ・デー」の再現イベントが催され、著者のメルツさんはキティ・ウィンター(「高名な依頼人」の悪役・グルーナー男爵の被害者の一人)に扮してこの旅に参加したそうです。

旅はスイスのローザンヌから始まります。参加者たちはまずパレ・ド・リュミーヌを訪れ、コナン・ドイル財団の所蔵資料や、ドイルがスイスを訪れた際の写真などを見学。続いてアトリエ・ティポグラフィック・ド・ラ・シテという印刷工房を訪ね、ワインを片手に工房を見て回ったといいます。

翌日には、エイドリアン・コナン・ドイル(アーサー・コナン・ドイルの息子)がかつて所有していたリュサンの城館を訪問。彼が1965年に城内で開設した博物館は、その後1990年代に城が私有化されたことで閉鎖されましたが、収蔵品は町内の『メゾン・ルージュ』に移され、2001年からシャーロック・ホームズ博物館として公開が続いています。

その夜はレマン湖でのセーリングや、1861年開業の名門ホテル「ボー・リヴァージュ・パレス」での晩餐も楽しんだそうです。

三日目にはチャップリン博物館を経て(チャールズ・チャップリンもホームズの舞台に出演していました)、ベル・エポック調のゴールデンパス列車でレマン湖畔とアルプスを抜け、最終目的地マイリンゲンへ。この夜のディナーでは、まさにホームズとモリアーティが対峙する場面が演じられ、翌日に控えた「決闘」への期待を高めたようです。

そして迎えた決闘の日。参加者たちは黒い衣装に身を包み、ライヘンバッハの滝へと向かいました。60名を超えるヴィクトリア朝スタイルの一団に、たまたま居合わせた中国人観光客の女性(偶然にも「キティ」という名だったとか)が驚きながらも笑顔でこの光景に加わったというエピソードも印象的です。

滝の上のゲストハウスでの昼食では、グラナダテレビ版がこの地でどのように「最後の事件」の対決シーンを撮影したかについての解説もあったとのこと。そして最後には、ホームズが生還を果たす場面が演じられ、ワトスンのように3年も待つ必要がなかった、というユーモラスな一文で締めくくられています。

その後著者は、プロイセン公アルバートゆかりのシュロス・ローゼナウ(コーバーグ近郊)を訪ね、旅を締めくくったようです。

1439年建造のこの城は、後にアルバート公が生まれ育った離宮であり、ヴィクトリア女王ご本人が日記に「王でなければここで余生を過ごしたい」と記したとされる場所とのこと。

記事の最後には、AFP通信やイタリア語圏のニュース番組による現地取材のリンクも紹介されています。まさに「シャーロッキアン、現地に集う」臨場感あふれる旅行記で、自分も参加したかったという思いに駆られます。昨年のポーツマスも楽しかったので、また機会を見つけていきたいのですが、タイミングが難しく具体的な予定が立っていません。

 

SHSLの節目の年ならではの、貴重な記録としてぜひ元記事もご覧ください。写真も豊富で臨場感のあるレポートとなっています。

 

*アイキャッチ画像は手持ちのライヘンバッハの滝の写真を元にAIで作成したイメージ図となります。実際は滝の中腹あたりに展望場がありますので、その辺りで再現をしたのではないかと思います。

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