私の読書傾向として、ノンフィクションを読むことが圧倒的に多く、小説はホームズパスティーシュ、ちょっと派生してミステリ・ハードボイルドあたりしか読んできませんでした。
そもそも作り物の世界じゃないか、と思っていたところもあったのですが、何かの本で、物語でしか語れないものがあるというのを読んで、創作というものにも大きな価値があるということが分かって、それ以降、ちょっとずつ小説を読むようになりました。その例えは忘れてしまったのですが、意味のある沈黙を表現するのに、小説ならではの文脈だったり余韻だったり、情景からの想像だったり、そうした技法でしか表現できないのだ、といったことだったと記憶しています。
こんな私ですが、2年ほど前、機会をもらって小説というかちょっとしたお話を書いたことがあります。
もちろん私が書けるのはホームズ絡みなので、いわゆるパスティーシュ的なものだったのですが、短いものだったこともあってか、意外とホームズとワトソンの会話やシチュエーションが頭に浮かんで書き進めることができました。
それはエピローグ的なもので、その続編というか本編の部分を書き始めると、単に時系列に書いていたのではストーリーが破綻してきて、収拾が付かなくなってきました。
その後、題材について大量の本を読んだり、プロットの作り方の本を読んだり、書いている話の舞台を訪れたりもしてみたのですが、なかなか書き進められませんでした。
そんな折、また書いてみないかとのお誘いがあり、本編に手を付けるのは難しかったので、ちょっとしたショートストーリーなら、ということで、プロットを作って、書き進めてみました。
途中で迷う場面では、AIにいろんな案を出してもらったりもして、書き足して短期間で一応最後まで書くことができました。
題材は相変わらずシャーロック・ホームズなのですが、9月にホームズの引退の地、イーストボーンに行ったことや、下調べで『Mr.・ホームズ』という、ホームズ引退後を描いた映画を見たりということもあって、94歳のホームズを描いたものになりました。
正直まだまだ荒削りなのでもう少し書き足さないと話として破綻している部分があるですが、まずは書いてみるのが重要だと思い終わりまで書いてみました。書いてみると、細部の整合性はめちゃくちゃでもまず完成させることが重要だということに気がつきました。
本編で書こうとしていることは、すでに多くの作家さんが取り上げた題材ではありますが、なんとか新しい解釈で、まずは終わりまで書き進めてみたいと思っています。
冒頭の写真は『Mr.ホームズ』でもロケ地となったシーフォード・ヘッド近辺の様子。セブンシスターズの白亜の崖を望む高台です。



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