少し涼しくなったと思いましたが、今日は少し暑さが戻ったでしょうか。日中はすこしでかけただけで、ほとんどの時間を家で過ごしました。明日、日本シャーロック・ホームズ・クラブの機関誌である『ホームズの世界』の編集委員会があり、校正作業のために原稿を整えたり、グラビア構成案などを考えていました。
MASTERキートンにおけるシャーロック・ホームズオマージュ要素について
YouTubeを見ていたら、期間限定ですが、『MASTERキートン』のアニメを配信していました。
『MASTERキートン』は、私にとってシャーロック・ホームズと同じぐらい人生に影響を与えられた作品といっても過言ではありません。
まず、ご存じない方のためにどんな作品なのかご紹介すると、『MASTERキートン』は、勝鹿北星と長崎尚志(ストーリー協力)が原作、YAWARA!や21世紀少年などでお馴染みの浦沢直樹が作画を担当した漫画作品で、1988年から1994年にかけて『ビッグコミックオリジナル』(小学館)で連載されました。考古学者でありながら保険調査員としても活動する主人公、平賀=キートン・太一を中心に展開するヒューマンドラマと冒険活劇の双方が楽しめる作品でした。
主人公の平賀・キートン・太一さんは日本人の父と英国人の母を持つハーフで、オックスフォード大学で考古学を学び、英国陸軍特殊空挺部隊(SAS)に在籍した経験を持つ異色の人物。表向きは大学非常勤講師や保険会社の調査員として働きつつ、各地で起こる事件や紛争に巻き込まれ、洞察力やサバイバル技術で問題を解決していきます。作品は単なるアクションにとどまらず、考古学や歴史、国際情勢、家族との絆など多様なテーマを扱い、知的な冒険譚として楽しめる作品でした。
1998年には日本テレビ系列でテレビアニメ化され、2000年代以降も復刻版や愛蔵版が出版され続けていますし、2012年から2014年には『MASTERキートン Reマスター』として、不定期連載で復活するなど根強い人気が続いています。
そんなキートンさんの作品が期間限定でYouTubeで見られるとのこと。下に埋め込みしていますが、すぐに公開終了になると思いますので、お早めにご覧ください。
一見シャーロック・ホームズと関係ない話題のようですが、実はキートン作品にはさまざまなホームズオマージュ要素があるのです。
2020年2月のJSHC月例会のテーマが、「ホームズオマージュ」ということで、キートンにおけるホームズ要素についてまとめて発表をしています。
まず、すごくジェネラルな共通点としてあげたのが、キートンもホームズも、①英国人であること、②探偵であること(キートンさんは保険調査員ですがやってることは探偵です)、③ホームズにはワトソン、キートンさんにはダニエルという相棒がいる、④ホームズにはトビーが、キートンさんには太助という嗅覚の鋭い犬がいる、⑤ホームズはバリツ、キートンさんはSASで身につけた格闘技の達人、⑥ホームズ、キートンさんともに多数の論文を書いている、といった共通点があります。
これだけだと、それほど直接的な繋がりとは言えないかもしれませんが、実はもっとホームズを感じさせる要素があるのです。
その一つが企業の買収に暗躍し時には恐喝を行う人物の名前が、ミルトン・シルバーマンであること。やってることといい名前といい、どことなくチャールズ・オーガスタス・ミルヴァートンを連想させます。
また、MASTERキートンのシリーズに「放課後探偵団の冒険」というエピソードがあるのですが、BSIのような子どもたちの探偵団が活躍する話があり、扉にはディアストーカーが描かれていました。
そして、決定的な要素なのですが、なんとキートンさんと相棒のダニエルが営む保険調査会社のオフィスがベーカー街にあるのです。
ということで、私の大好きな二つの世界がここでクロスオーバーするというのはなんとも言いがたい感動があります。
なお、あまりに好きすぎるので、「日本・マスター・キートン・クラブ」もしくは「放課後探偵団」という団体を作って、キートニアン活動を推進したいと思いつつ、まだ着手できていないのはここだけの話。
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