今日の東京は久々の雨でしたね。一日家で仕事をしていたので、暑かったのか涼しかったのか分かりませんでしたが、庭の植物は生き返ったようでよかったです。
バスカヴィル館の場所
今日はいつもおなじみ、シャーロッキアンPodcastのTrifleの方で新しい回がアップになっていました。
タイトルは「The Location fo Baskerville Hall」というもの。
『バスカヴィル家の犬』では、その舞台の大半はダートムアとなります。このダートムアにあるのがバスカヴィル家の邸宅であるバスカヴィルホール。今回はそのロケーションについて考察した論文が取り上げられていました。
こちらの論文は、Baker Street Journalで優秀な論文に贈られるMorley-Montgomery Awardを受賞したものだそうです。こちらの賞についてはまた改めて調べて書いてみたいと思います。
発表されたのは1979年ということで、46年前のこととなりますね。かなりの古典です。
まずは今回の番組の説明文から紹介します。
「私はバスカヴィル邸にたどり着くことができた」[HOUN]
シャーロック・ホームズ物語には、ファンが定期的に訪れる場所がいくつか存在する。もちろん、221Bベーカー街とライヘンバッハの滝がリストのトップに挙げられる。西へ足を運ぶ者にとって、バスカヴィル邸は常にインスピレーションの源だ。では、その正確な場所はどこだったのか?学者たちは数十年にわたりこの問題を議論し続けてきた。1979年、BSIのハワード・ブロディは、この論争に決着をつけようとした論文でモーリー・モンゴメリー賞を受賞した。
ハワード・ブロディさんは、現地には赴かず、地図や聞き取りからこのバスカヴィルホール探しを行ったとのこと。(ドイルもロンドンのことをあま利知らず郵便局地図を見て作品を書いていたのと同じ手法だと番組内でも語られていました。)
せっかくなので、元の論文を読んでみようと思い、昔のBSIを調べてみました。
掲載されていたのは1979年発行のVolume 29, No. 4。
冒頭でハワードさんはその時点での過去の諸説について検証しています。注釈付きホームズ全集やホームズ伝記の著者として有名なベアリング−グールド氏やBSIの元会長のジュリアン・ウルフ博士の説を検証した上で、改めてワトソンの記述から導かれる手がかりを元に「あり得ないことを除外」していきます。(これはシャーロック・ホームズのやり方ですね)
ワトソンが書いているヒントは以下の通り。
- バスカヴィル館とグリムペンは4マイル離れている。
- 半径5マイル以内にあるのは、グリムペン、メリピット館、ラフター館、2軒の農家だけ。
- ラフター館はバスカヴィル館から南へ4マイルで、クーム・トレーシーへの道沿い。
- メリピット館は非常に孤立しており、荒野を横断する小道で館とつながっているが、道路でも到達可能。
- ホームズが潜伏した小屋は、ラフター館が望遠鏡で見える範囲で、クーム・トレーシーから徒歩圏内。
- バリモアは館の「西側の窓」から信号を送った。したがって館は荒野の東縁にあると推測できる。
これを元に彼がたどり着いた結論は「バスカヴィル館の最有力候補は、ヘイフォード館またはその周辺」としていました。
やはり何か調べたいときはBSJとSHJをきちんとチェックしないとと、認識を新たにしました。バスカヴィルホールを探すにしても、すでに79年にこのような素晴らしい考察がされていたということを踏まえて考えないといけないということですね。
ハワードさんはつい数年前に亡くなられたとのこと。お会いしてお話ししたかったのに残念です。
JSHC春の大会準備委員会
今日の夕方は、来年のJSHC(日本シャーロック・ホームズクラブ)の全国大会の準備委員会の会合がありました。企画については概ね固まってきたので、これから詳細を詰めていく予定です。3月末に開催予定。次のベイカー街通信に最初の告知をする予定ですので、会員の皆さんはまずは予定を抑えていただければと思います。(参加登録はもう少し先になります)
大会の準備委員はこれで5回目。毎回委員の皆さんとああでもないこうでもないとわいわい話すのも楽しいですし、大会当日に参加者に喜んでもらっている様子を見るのも嬉しいので、今回も楽しい大会になるよう委員のみなさんと頑張っていきたいと思います。
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