宮崎駿さんが監督している劇場版『名探偵ホームズ』の限定復刻上映に行ってきました。せっかくなので上映後に当時のスタッフの方の話が聞けるトークイベント付きの回で干渉することに。
まず上映された作品ですが、『名探偵ホームズ』が劇場で公開された2回分を一気に見るというもの。それぞれ2話分なので合計4話を干渉したことになります。
上映館のウェブではこのように紹介されています。
コナン・ドイルの有名推理小説に一味加えてアニメ化。霧の都ロンドンのベーカー街にいるのは、パイプがトレードマークの、その名も高き名探偵ホームズ。助手のワトソンとともに、難解な事件を明晰な頭脳で推理・解決する。推理劇の魅力にアクションやコメディの要素も加わり、楽しく斬新な作品に仕上がっている。登場人物が全て犬に擬人化され、その表情もかなりユニークな「名探偵ホームズ」。
本上映では宮崎駿演出の『劇場版 名探偵ホームズ 青い紅玉(ルビー)の巻/海底の財宝の巻』 (1984年版)、『劇場版 名探偵ホームズ ミセス・ハドソン人質事件の巻/ドーバー海峡の大空中戦!の巻』(1986年版)の二本立てで上映いたします。
●名探偵ホームズ 青い紅玉の巻/海底の財宝の巻
1984/日本/46分
監督:宮﨑駿
脚本:片渕須直
作画監督:近藤喜文、丹内司、友永和秀
キャラクターデザイン:近藤喜文
美術監督:山本二三
撮影監督:高橋宏固
録音監督:斯波重治
音楽:村松邦男
キャスト:柴田侊彦、富田耕生、大塚周夫 ほか
●名探偵ホームズ ミセス・ハドソン人質事件の巻/ドーバー海峡の大空中戦!の巻
1986/日本/47分
監督:御厨恭輔
脚本:片渕須直
絵コンテ、演出:宮﨑駿
作画監督:近藤喜文、友永和秀
キャラクターデザイン:近藤喜文
美術監督:影山仁
撮影監督:若菜章夫
録音監督:伊達康将
音楽:羽田健太郎
キャスト:広川太一郎、富田耕生、麻上洋子、大塚周夫 ほか
こちら予告編です。
最初の2編の青い紅玉の巻/海底の財宝の巻を見ていて、あれと思ったのは、登場人物の名前が微妙に違っていること。その後のトークのときに分かったのですが、この4作(+2作の計6話分)はテレビ放映前のパイロット版的に作られていたものだったのだとか。最初の2作は『風の谷のナウシカ』と同時上映だったのだそうですが、その時点では権利関係が調整されてなくて、シャーロック・ホームズとかハドソンさんとかの名称が使わなかったとのことでした。共同製作のイタリア側でやってるはずが進んでいなかったそうです。(その後テレビ放映までには調整されたとのこと。)
だれと調整したのか、詳しくは述べられていなかったのですが、おそらくコナン・ドイル財団とだったんでしょうね。
もう40年前の作品なので、私自身もリアルタイムで見た記憶はもちろん無いのですが、改めて今見てもまったく違和感がないというか、新鮮な気持ちで見られるというか、時代を超越した作品だと感じます。
シャーロッキアンとしても、青い紅玉であったり、ライサンダー大佐だったりと正典の要素もあったりして楽しめました。
上記の通り、名前が違ったり、声が違ったりと少々違和感を感じて4話分を見たのですが、その辺りの経緯はトークの中でいろいろと明らかになりました。
トークに参加してくださったのは作画の友永和秀さんと富沢信雄さんでした。叶精二さんのMCで様々な裏話が紹介されました。
キャラクターデザインがピンクパンサー風から漫画風に変遷したこととか、みんな犬なのにハドソン夫人だけ人間という設定の案があったとか、宮崎駿さんが途中でナウシカに忙しくなってしまったとか。
それと、当時のアニメーションの作り方についても、とても手間がかかってるんだということも実感できました。作画チームの人数も相当だったそうで、クレジットに紹介しきれないので各回で交代で名前が入ったとか。それなのにモブシーンに力を入れたり、美術の山さんの連歌の書き方の緻密さとか、かなり力の入った仕事ぶりだったようです。
トーク終了後にはアーカイブ展示ということで出口外に当時の資料やセル画などを展示してくれていてこちらも楽しめました。
見終わって気がついたのですが、9月にイギリスに行くときに、ホームズコレクションを案内してくださるキュレーターの方に持って行くお土産は、犬のホームズグッズがいいのではということ。日伊合同製作ではあるものの、世界の宮崎駿作品でもあるし、本場イギリスのホームジアンの方へのお土産には良さそうな気がしました。
昨日神保町の書泉グランデに行ったときに買っておけばよかったと後悔したのですが、幸い今日見に行った池袋に近い高田馬場芳林堂書店でもPop up Shopが開催中ということで寄って帰ることに。
お土産用と言いつつ、先日通販で購入しなかったものを思い出してやっぱり欲しいかも・・・と、ということで自分用にもいくつか購入。
またまた散財してしまいました。
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