今年秋の日本シャーロック・ホームズクラブ全国大会が開催されたのは弘前市。
今回はその弘前に2泊し、到着後に街を歩いてみたところ、思いのほか古本屋が充実していました。開いていたところだけでも四軒ほどはいりましたが特色ある品揃えで驚きました。
特に地元弘前や青森県に関する資料が充実している店もあり、地域研究をしている人にとっては大変充実した環境だと感じました。
残念ながらホームズ関連の収穫はありませんでしあが、それでもイギリスに関連するものだとついつい買ってしまうのがシャーロッキアンのつらいところ。
今回購入したのが玉村豊男さんの『ロンドン旅の雑学ノート』。
昭和53年に刊行された本で、つまり今から50年近く前の本ですが、ロンドンやイギリスを旅すると必ず目に入るものについて、その由来や背景が雑学としてぎっしり詰まった一冊です。
最初に取り上げられているのがパブ。その歴史や役割からそこで飲まれているビールさらにそこから上流階級のクラブの話題にまで広がります。何気なくビールを飲みに入っていたパブにも知らない歴史があったんだと感心します。
続く章では、スポーツ、マイホーム、食事、バス、タクシー、郵便制度など、旅先では何気なく通り過ぎてしまうものについてまでかなり深掘りして解説してくれていて参考になります。語り口はイギリス流の軽妙さがあり、思わずクスッとしてしまう場面も多くあります。
50年前のものだから古びてしまっているわけではなく、書かれている内容の多くは今もそのまま通用するものばかり。
「ホームズは出てこないだろう」と思っていたのですが、最後に思わぬ不意打ちが。斉藤茂太さんが巻末で解説を書いているのですが、ロンドンで玉村さんと会ったのがなんとシャーロック・ホームズ・パブだったとのこと。
ホームズ本じゃなくてちょっと寂しかったのですが、最後にホームズパブが登場して少し得した気持ちで読み終えることができました。
シリーズには『パリ雑学ノート』もあるようで、パリではさすがにホームズは登場しないと思いますが、内容の充実ぶりを考えると、見かけたらきっと手に取ってしまいそうです。



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