10月25日・26日は、神保町ブックフェスティバルと神田古本まつりが同時開催される予定だったため、心待ちにしていました。ところが残念なことに、ブックフェスティバルは両日とも雨で中止。古本まつりも日曜日は同様に中止となってしまいました。
古本祭りはなくとも神保町へ
26日(日)は午後から『ホームズの世界』の編集委員会があったため、神保町に立ち寄ってから向かうつもりで電車に乗りました。ところが途中、X(旧Twitter)で中止の知らせを知り、がっかり。しかしせっかくなので、予定通り神保町で途中下車することにしました。
地上に出ると雨はすでに上がっていましたが、本来なら古本屋の露店で賑わうはずの通りは、屋台に青いビニールシートがかけられ、どこか寂しげな光景。それでも神保町には常設の古書店が数多くあります。ふだんあまり入る機会のないお店を中心に覗いてみることにしました。古本まつり(ブックフェスとは異なり来週末まで開催予定)期間中だからか、どの店もいつもより入りやすい雰囲気が漂っていたように思います。
探偵小説・成長と時代
そんな中、特にミステリーやホームズ関連書を扱う店ではない一軒に、何となく足を踏み入れたところ、ふと目に留まったのが、『探偵小説・成長と時代――娯楽としての殺人』(ハワード・ヘイクラフト著、昭和36年刊行)という一冊。
箱入りの本を手に取り、ページをめくってみると、探偵小説の発展史を概観した内容で、シャーロック・ホームズにもかなりの紙幅が割かれていることが分かりました。
決め手となったのは、目次にあった付録B「シャーロック・ホームズの名前、その他」という項目です。これを見て購入を即決。
ホームズについての記載
帰宅後に読んでみると、ドイルの生涯のみならず、その後のホームズをめぐる動き(出版史やベイカーストリート・イレギュラーズなど)にも触れられており、短いながらも当時までのホームズ史を的確に捉えた一冊でした。
「ホームズの名前」に関する記述は2ページ弱とやや簡潔ですが、引用されているヴィンセント・スタリットによる『American Notes & Queries』1941年6月号の記事が興味深く、原典をあたってみることで、さらに理解を深められそうだと感じました。



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