2025年10月3日:SHSLの2007年イベント「Vintage bus tour of South London」

シャーロッキアン日記

秋といえばスポーツの季節。今日は休暇をとって、一日ゴルフ場でのんびり過ごしてきました。

ゴルフといえば、ホームズの生みの親であるコナン・ドイルも愛好家でしたし、ホームズ自身がゴルフをしているというパスティーシュもあります。たとえば『ゴルファー シャーロック・ホームズの冒険』は、ホームズがゴルフを通じて出会う人々の事件を描いた作品で、続編も出ています。ゴルフ好きのシャーロッキアンで未読の方にはおすすめしたい一冊です。

 

ところで、先月参加したロンドン・シャーロック・ホームズ協会のポーツマス遠足。そのときの写真がFlickrで公開されていて、ふと「昔のイベント写真も残っているのかな?」と探してみたら、なんと懐かしい写真を見つけました。「Vintage bus tour of South London」というイベントのものでした。

 

「Vintage bus tour of South London」

ロンドン・シャーロック・ホームズ協会では、毎年いくつか恒例の行事があります。1月のホームズ誕生日を祝うディナー、春の総会とイベント、秋の遠足などです。私はロンドンに留学していたときに協会に入会したのですが、当時は全てを把握していたわけではなく、参加できたのは春のイベントだけでした。テーマは「Yet Another Capital Idea, Watson」。(ニュアンスとしては 「いやはや、またしても見事なアイデアだね、ワトソン」といった感じでしょうか。)

いくつかのプログラムが数日間にわたって行われ、参加者が自由に選んで参加できる形式でした。

 

私が選んだのは二つ。「Detective Walk」というロンドン市内のホームズゆかりの地を歩いて巡るツアーと、「Vintage bus tour of South London」という南ロンドンをバスで回るツアーです。特に印象的だったのは後者。案内役は故バーナード・デイヴィース氏で、当時すでに高齢だったため「これが最後のツアーになるかもしれない」と言われていました。

 

デイヴィース氏はイギリスを代表するホームズ研究家で、特に作品に登場する場所の考証で名を馳せました。英国では「シャーロッキアン」ではなく「ホームジアン」と呼ばれますが、まさにその第一人者。ロンドン協会の機関誌『Sherlock Holmes Journal』に寄稿した論文の数々は、『Holmes and Watson Country』としてまとめられています。

| Holmes and Watson Country – Travels in Search of Solutions The Sherlock Holmes Society of London

今手に入るのはこちらの1冊本ですが、当初は2分冊の限定版としてまとめられていましたが、こちらは在庫無し状態ですので、運良く古本で出回らない限り入手は難しいと思います。

 

ツアーでは『緋色の研究』や『四つの署名』、「ノーウッドの建築士」、「六つのナポレオン」、「フランシス・カーファクス姫」などに登場する南ロンドンの舞台を訪れました。さらにドイルが実際に住んでいたノーウッドの家も。

なかでも私にとってのハイライトは、『四つの署名』でバーソロミュー兄弟の家のモデルとされる建物を案内してもらったことです。作品に描かれた特徴を備えた実在の家を「よくぞ探し出したものだ」と心から感動しました。

彼の後を継げるようなホームズの地理学者になりたいと密かに思っていますが、研究があまり進んでいないのが実情です・・・。

 

冒頭の写真はツアーに参加したときの様子。このバスがかわいいのでたくさん写真を撮ってしまいました。

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