今日は久しぶりに暑い一日でした。
夕方は少し涼しくなりましたが、窓を開けてもなかなか部屋の中が涼しくなりません。
『ガス灯野良犬探偵団』(8)が届く
週刊誌のヤングジャンプ連載ということもあってか、単行本の発売頻度も結構高く、油断していると発売になっていたりします。
最新の8巻も9月19日に発売になっていたのを見逃していました。いつもはXで話題になっていて気がつくのですが。
ホームズ関連コミックもいろいろありますが、正典をうまく使いつつ新解釈・新要素を足すというアプローチで、シャーロッキアンにとっても心をくすぐられる要素があり、しかも絶賛連載中で次号が楽しみになるという貴重なシリーズとなっています。
主人公は正典で言うベイカー街非正規部隊(Baker Street Irregulars)の少年たちなのですが、ウィギンスは登場せず、リューイがリーダーとなっています。今のところ、隊員(?)は他にジエンとアビーの二人。
ホームズとワトソンももちろん登場しますが、ホームズはインド系という設定。その出自については本巻でも語られそうになりましたが、お預けとなりました。
これまですでにハドソンさん(犬のホームズや憂国のモリアーティと同様若めの設定)、レストレードなどが登場しており、8巻ではグレグスン(前にも出てたかも)やマイクロフト・ホームズも登場し、徐々に正典の人物たちも出そろいつつあります。
しかし、それ以上に多彩なオリジナルキャラが登場するのも楽しみの一つです。6巻からはロンドンの各地域の浮浪字たちのギャング団も登場し、今はそれぞれのグループと主人公たちの猟犬遊軍との絡みが進みつつあります。
正典のキャラではありませんが、8巻で面白かったのは挿絵画家のシドニー・パジェットが登場し、ディアストーカーとインバネス姿が生まれた瞬間が描かれたことや、バリツ(正典ホームズが身につけていた格闘術)という名前の人物の登場がほのめかされていること。まだ本格的には登場していないので、今後が楽しみになります。
他にも今後活躍しそうな人物も出てきて、ますます展開に目が離せません。
ギャング団の名前とか、事件の性質に正典要素が織り込まれているのですが、8巻のメインモチーフは踊る人形。まだ序盤ではありますが、暗号解読のところまでが描かれています。
原作の青崎有吾さんは、私も好きだったシリーズの『ノッキンオン・ロックドドア』や、ホームズや切り裂きジャックも登場する(から読もうと購入しているものの積ん読中の)『アンデッドガール・マーダーファルス 』の作者さんです。謎解きの過程がしっかりしているのも本作の読み応えがある理由かもしれません。
1巻にはJSHCの北原尚彦さんが解説を書いているのですが、その後は解説が亡くなってしまい残念。そろそろ正典などの背景も含め、改めて北原さんに解説してもらえると読者にとってもありがたいのですが。
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