2025年8月20日:「シャーロック・ホームズのすべて」、The Dancing Man

シャーロッキアン日記

昨晩の深夜便で羽田を発ち、半日掛けてアジア某国にやってきています。

出張の頻度が高い仕事をしているのですが、本を携えていくことが習慣となっています。昔は、空港で雑誌も含め数冊買って持って行き、読み終わったら出張先の日本人関係者にお土産として贈呈すると喜ばれましたが、今は電子書籍が普及したので、紙の本を買い込んで持って行くことはなくなりました。

飛行機の中や乗り継ぎの空港で読む用の本も電子書籍で持って行くことが増えましたが、紙の本も1,2冊は持って行くようにしています。

今回旅のお供で持ってきたのは『シャーロック・ホームズのすべて』という本です。こちらは、ロンドン・シャーロック・ホームズ協会の重鎮かつ会員同士の夫婦でもあるジーン・アプトンさんとロジャー・ジョンスンさんが書いた本を日暮雅道さんが翻訳したものとなります。

帯を見ると、本書について次のように説明されています。

ホームズにまつわる伝説の真相とは!
ホームズはコカイン依存症だったのか?/ベイカー街221Bはどこなのか/ホームズは女嫌いだったのか/ホームズとワトスンはゲイ関係だった?/英語ネイティブでも分からない「ホームズ用語」の深い世界/ホームズ愛好家の奇妙な生態/世界のホームズ研究の最前線も氷塊!

これだけ見てもなかなか面白そうな本に思えるのではないでしょうか。

しかし、こうしたホームズ全般を解説した本にありがちなのですが、ごく基本的なホームズについての記載というものが不可欠なため、ごく基礎的なことも多く書かれています。初めてホームズの世界に足を踏み入れる読者には必須の内容とは言えますが、シャーロッキアンにとっては当たり前なため、発売当初に入手はしていたのですが、興味のあるところだけ拾い読みして(特に前半部分については読み飛ばして)いましたので、今回じっくり冒頭から読むために持ってきたという次第です。

著者の一人、ロジャー・ジョンスンさんは、ロンドン・シャーロック・ホームズ協会の会員に毎月送られてくる「District Messenger」というニュースレターの編集者としても知られており、私も送られてくるメールの送り主の名前で馴染みがある方です。しかし、実際にお会いしたことはなく、今度のポーツマスでのイベントでお会いできないかと期待しています。

日暮さんも訳者あとがきで書かれていますが、イギリスのホーメジアンの目線で書かれた記載はこの本ならではの特徴だと思います。本場イギリスのホーメジアンが、221Bを称するホームズ博物館に対してどのように認識しているのか、などはシャーロッキアンとしては押さえておいた方がよいといつも思っています。

一方で、ロンドン協会の発祥とも関連が深いのがシャーロック・ホームズパブなのですが、著者のお二人はここにあるホームズの部屋の管理人でもあります。そして、ちょうどPodcastのIHOSEの(現時点での)最新回で、このパブについての話が紹介されお二人が登場しています。

I Hear of Sherlock Everywhere: Episode 316: The Sherlock Holmes Pub
A look inside the recreation of the 221B Baker Street sitting room with the couple that maintains it

 

話は変わって小ネタではありますが、今回の出張で搭乗したタイ航空が今年65周年ということで、機内誌にロゴの変遷が紹介されていました。そこで目を引いたのが初代のロゴの解説。タイの民族舞踊を踊る男性がモチーフになっているのですが、そのタイトルがThe Dancing Manでした。あの「踊る人形」の原作のタイトルがThe Dancing Menということで、ついつい写真に撮ってしまいました。
しかし、ふと思ったのですが、Dancing Menが現代なのに何で踊る人形と訳されているのでしょうか。普通なら踊る男とか踊る人というのが妥当なところだと思います。で、ちょっと検索したらWikiの冒頭で「人形」は一般的ににんぎょうと読まれることが多いが、ひとがたとも読めるとのこと。そして正典の中でもホームズはlittle figures dancingと言ってるとあるので、少し納得がいきました。さらに掘ってみると面白そうなことが分かるかもしれません。

 

冒頭画像はタイ空港の機内誌からの引用となります。かつてのタイ空港のロゴ。

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