ロンドン・シャーロック・ホームズ協会(SHSL)が2025年6月、新たな研究シリーズをスタートさせました。
その名も『Occasional Papers Number One』。
世界有数のホームズ研究誌『The Sherlock Holmes Journal』を刊行するSHSLが送り出した新シリーズの第一歩です。

「Occasional Papers」誕生の背景
SHSLの機関誌『The Sherlock Holmes Journal』は、世界有数のホームズ研究誌として知られています。その人気ゆえに、編集者のもとには誌面に収めきれないほど多くの原稿が集まるという「うれしい悩み」を抱えてきました。
この状況を改善すべく、協会の出版小委員会が立ち上げたのが「Occasional Papers」シリーズです。
『Journal』に掲載されなかった優れた論考を別冊として発表する場を設けることで、これまで日の目を見なかった研究を広く届けることを目的としています。
前書きでAshley Mayoが記しているように、「これは今後シリーズ化が期待される最初の一冊」という位置づけです。
第1号のテーマ
第1号のテーマは、探偵小説の発展に影響を与えた諸要素、そしてアーサー・コナン・ドイルが名探偵シャーロック・ホームズを創造する際に受けた影響の数々です。ホームズ誕生の背景にある文学的・歴史的な文脈を多角的に掘り下げた論考7本を収録しています。
本書には、ホームズ誕生の背景や探偵小説史に関する7本の論考が収録されています。
- Donald Zaldin著「ロナルド・A・ノックス「シャーロック・ホームズ文学研究」再考ーコナン・ドイルとの文学的交差点」
- Nick Dunn-Meynell著「ホームズはカムフォードにいた。議論せよ。」
- Malcolm Noble著「フリットウィック橋の謎——ホームズの習作か?」
- Jim Webb著「シャーロック・ホームズの直感」
- Ron Levitsky著「シャーロック・スペード—ホームズはハードボイルド探偵だったか?」
- Deborah Thomas著「ホームズのいるところ—コナン・ドイルを再読する」
- Kelvin I Jones著「あの薄暗い墓場、テムズ川」
各論文について
冒頭のDonald Zaldinによる論考は、ホームズ研究の礎を築いたロナルド・ノックスの1911年の名論文「シャーロック・ホームズ文学研究」を現代の視点から再検討しつつ、コナン・ドイルとの文学的接点を探る野心的な一本です。全7論文のうち最長の約40ページを占めており、本書の中核をなしています。
まずはDonald Zaldinの論考から読み始めましたが、本書全体を通じてホームズ作品の背景を掘り下げる意欲的な内容が並んでいます。
入手方法
SHSLの公式サイト(sherlock-holmes.org.uk)からAmazon UKへのリンクが案内されており、各地域のAmazonで「Sherlock Society Occasional Papers」と検索することでも購入できます。ペーパーバック(ISBN: 979-8288960499)とKindle版の両方が入手可能です。

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