今回もFacebookのシャーロッキアングループのThe Stranger’s Roomで話題になっていたイベントのご紹介です。
ニューヨーク・ヘルズキッチンのオフブロードウェイ劇場、AMT Theaterが、2026年7月14日(火)に設立5周年を祝う特別イベントを開催します。入場は無料で、予約は、info@amttheater.orgからできるようです。残念ながら私はこの時期に渡米できそうにありませんが、シャーロッキアンとしては気になるイベントです。
AMT Theaterについて
AMT Theaterは、プロデューサーのAl TapperとアーティスティックディレクターのTony Sportielloが共同で立ち上げた劇場です。2021年の設立以来、新作演劇や朗読会など多彩な企画を上演してきました。マンハッタンのシアターディストリクトの中心部に位置し、新作ミュージカル、子ども向け演劇、キャバレー、映画上映、朗読会など多彩なプログラムを展開しています。
West 42nd Street Online の Best Venue Award(2024年)も受賞しており、ヘルズキッチンの文化的拠点として確固たる地位を築いています。
ヘルズキッチンというのは、マンハッタン西側のミッドタウンに位置する地区で、南は34丁目、北は59丁目、東は8番街、西はハドソン川に囲まれたエリア。昔、巡回中の警官二人が「ここは地獄(Hell)みたいだ」と言うと、もう一人が「いや、もっとひどい、まるで地獄の台所(Hell’s Kitchen)だ」と返したことに由来するのだとか。「地獄」よりも「地獄の台所」の方がひどいという感覚は現代の日本人には少し分かりにくいですが、当時のスラム街としての荒々しいイメージを表した言葉だったのでしょうか。ヴィクトリア時代に切り裂くジャックが現れたイーストエンドにも近いイメージでしょうか。
5周年記念イベントの内容
イベントは2部構成で行われます。
18:00〜19:00 歓迎レセプション
ドア開場は18時。最初の1時間は無料のドリンクを楽しみながらの交流タイムです。劇場のスタッフや観客同士が気軽に語り合える場となっています。
19:00〜21:00 新作朗読劇『恐怖の谷』
メインプログラムは、Tony Sportiello自身が脚色を手がけた新作朗読劇「恐怖の谷」(The Valley of Fear)の上演です。
朗読劇の原作はもちろん
『恐怖の谷』(”The Valley of Fear”、1915年)は、アーサー・コナン・ドイルが書いた最後のシャーロック・ホームズ長編小説です。
『恐怖の谷』はストランド・マガジンで1914年9月〜1915年5月に連載され、単行本(ジョージ・H・ドーラン社、ニューヨーク)は1915年2月27日に刊行されています。英国版(スミス・エルダー社)は同年6月3日に刊行されました。
ドイルはその後も短編を書き続けましたが、長編としてはこれが最後の作品となります。また、本作はモリアーティ教授が登場する正典長編作品のうち唯一の作品でもあります。(が、「最後の事件」でのワトソンの発言と若干の矛盾があり、どう解釈すればよいのか、シャーロッキアンの長年の議論の種となっています。)
物語は二部構成で、前半はイギリスの荘園邸宅での殺人事件をめぐるホームズの捜査、後半はアメリカ・ペンシルバニアの炭鉱地帯を舞台にした秘密結社の物語が展開します。
Sportielloによる新たな脚色に注目
今回上演されるのは、同劇場のアーティスティックディレクターであるTony Sportielloが新たに脚色した版です。Sportielloはこれまでニューヨーク、ワシントンD.C.、メキシコ、イギリス、フィンランド、中国、ロシアなど世界各地で作品が上演されてきた劇作家・プロデューサーです。ホームズの長編を彼がどのように舞台作品として構成するのか、シャーロキアンとしても注目したいところです。
日時:2026年7月14日(火) 18:00開場
場所:AMT Theater(354 West 45th Street, New York, NY)
入場料:無料
予約:info@amttheater.org
5周年を迎えたAMT Theaterが『恐怖の谷』をどのような形で舞台化するのか気になるところです。現地で観劇できる方が本当にうらやましい限りです。

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